7月16日(土) 日和佐のヨコワ・カツオ釣り

 ここ一ヶ月 絶不調である。
狙いの魚どころか、ボーズ連発。

先週、先々週と警報発令中にもかかわらず強行し玉砕。
今日こそは、今回こそはの釣行である。



今回は、昨年キハダを釣らせてもらった日和佐の第五八千代丸さん。


夢よもう一度(昨年の釣行記)…とばかりに。

当初予定では近海ジギングでマダイを狙って、その後パヤオのキハダのつもりであったが
黒潮の大蛇行が原因かマダイが釣れない、キハダも姿を消しているとのこと。


ということで、今回は最近好調なヨコワ(本マグロの幼魚)とカツオをメインで狙い、
マダイのジギングもやりましょうとのこと。
ヨコワとカツオは
どちらも私にとって未知の釣りものである。

キャスティングとのませ釣りで狙うということだが、
前日までに船頭さんより教えていただいたタックルをよく分からないままにセットしておく。

釣行前夜、天気予報を確かめると、台風の影響か
「波の高さ1.5mのち2mうねりを伴うでしょう」だって。
船にはめっぽう弱い私にとって厳しい条件での釣りになりそうである。


なにはともあれ、釣行前日のわくわく感はいくつになっても変わらない。
特に新しい分野の釣行前日は。
遠足前日(いやいや今回は修学旅行前日)の子どもと同じである。

当然のようにほとんど寝られないまま、朝2時に家を出た。


今回のメンバーは、
小学校からの釣友M氏
明石より合流のマイボートジガーのMr鉄柱ことI氏
自作ジグで勝負するeijigことK氏とその師匠U氏とそのお連れの方の6名。

午前5時過ぎ 船に乗り込み、それぞれ思いを込めたタックルを積み込む。

30セット近くある。これだけで推定百数十万!?
ジギングはタフな釣りなので、どうしても道具がしっかりしていないと。

キハダ用にとヤフオクで落札したGTロッドやステラPG16000番、
ソルティガEXPなどは家で留守番予定だったが、もしものために、と持ってきた。
結局使うことはなかったですが…。

今日は、船長以外にもう一人スタッフの方が乗り込んでおられる。
客6人に対して船長+1名。
いったいどんな釣りをさせてくれるのだろうか?


5:30 出船。
まずは、のませ釣りのえさ(マイワシ)を仕入れる。
船はその後、港を出た辺りをうろうろ。

何かを探しているようである。
1時間近く船は右へ左へ、あてもなくさまよっているように見えた。

7時を回っても一向に釣りを開始する気配がない。
いったいいつになったら釣らせてくれるのだろうか?
と思っていたら、船長とスタッフに緊張感が走る。

何かに向かって慎重に船を走らせる。
もう一人の方が枠1m以上ある目の細かい網を手に持ち

バシャ とひとすくい。
網の中には小魚が数百匹。カタクチイワシだ。

聞けば、こいつがないと今日の釣りは全く成立しないそうだ。


「餌床」というそうだ。
イワシがカツオ・マグロ・シイラなどに追われ、ひとかたまりになっている。
ぎゅうぎゅうの押しくらまんじゅう状態で、
イワシはほとんど泳げないほど、せり上がっている。


コイツを何回かすくい(数万匹?)大型いけす満タン、いよいよ準備は完了のようである。

と、1キロほど沖に巨大なナブラが出現している。
伊予灘のそれとは明らかに違う。
遠くからでも、飛び跳ねている魚の姿が確認できる。

船で近づくと、すごい。まさにボイルいやスーパーボイルである。
みんなキャスティングロッドを構え、合図とともにキャストを繰り返すが、
魚からの反応はなし。
ルアーは完璧に見切られているようだ。

船長の話によれば、
早巻きは厳禁で竿を立ててチョンチョンとトゥイッチをいれると食ってくるという。
なかなか今日の相手は手強そうだ。

ポイントを移動しながら、次に湧きそうなところで
先ほどすくったカタクチイワシをチャミングしていると、
突然船の左舷側にスーパーボイル出現。

散水機で水を撒きながら、群れを離さないようにイワシもまき続ける。
これは、みなさんも一度はご覧になったことがあるカツオの一本釣りの風景である。

キャスティングでまず、K氏が掛ける。
細めのロッドがバット部分から曲がっている。

さすがはK氏。 取り込んだのは、


60cmほどのヨコワ。小さくてもクロマグロの子どもである。
ヒットルアーはドラドジャークのイワシカラー。


この一匹で全員俄然やる気を出すが、相変わらずルアーは見切られているようだ。
スタッフの方の話では、ナブラの真ん中に投げ込むことと、
ルアーをゆっくりと小刻みに動かすことが大切とのこと。

ナブラが射程距離に入ると、我先に適当に投げてしまいがちだが、
船もナブラも動いているのである。なかなか真ん中に投げ落とせない。
うまく落とせたら、あとは小刻みな動き……。


と キター
!!


ついに太平洋のファーストヒット。
けっこうイイ引きしている。


揚がってきたのは、ヨコワ。


子どもだけれど本マグロ、黒マグロだ。

ドラペン11cmのシンキングにヒット。

初めて釣る魚なので興奮気味。
とりあえずは1本 本命ゲット 連敗脱出で正直ほっとした。


次のナブラはよくよく見ると,イワシを取り囲んでいるのはなんとサメ!!
さすがは、太平洋。瀬戸内海では見ることのない光景。
4,5匹がイワシを追い込んでいる。
そのナブラのど真ん中へ再びルアーを投入。
直後に強烈なアタリ。
ゆるめに設定したドラグからジャーとものすごい音を立ててラインが出て行く。
小刻みに頭を振っている。
先ほどのヨコワとは引きが全然ちがっている。

私のルアーをひったくっていったのはサメ??

何度か激しく突っ込んだが、観念して浮いてきた。
腹に3本のストライプ。
カツオ。
プリプリの戻りカツオ。



聞けば、ヨコワよりよく引くそうだ。

とりあえずこれで目標であった、マグロの刺身とカツオのたたき分の食材は確保。



その後、ボイルは出るものの、ルアーは追わなくなった。
いや正確には、ルアーは追いかけてくるが、食ってこなくなった。



こうなれば、のませ釣りの出番。
大量にすくったカタクチイワシを4,5匹ずつ
特製の網を使って上手に遠投してくれる。
絶え間なく、正確に。
群れが船から離れてしまうと、それでおしまいだから。



そこへ、針をつけたイワシを投げ込むわけだが、
エサまきのタイミングとサシエを投入するタイミングが難しい。

船頭さんがマキエにあわせてサシエを遠投!!
リールをフリーにしてどんどんラインを送り出す。
ラインを止めたらダメ!!
ヒットしても合わせてはダメ!!
簡単そうに見えて かなり奥が深い。



しかし、つぼにはまれば100発100中。
船上は瞬く間に「戦場」に…。

カツオの群れが船に付き、スーパーボイル連発。
エメラルドグリーンに輝くのシイラを見たときも感動したが、
マリンブルーに光るカツオにも驚いた。

みなさん連続ヒット。
竿が曲がりっぱなし。

あー 針はずれた!!

リーダー切れた!!
 
強烈なカツオの引きに、バラシも連発。

それでもみなさん短い時合いに大判カツオをものにされています。

船上は瞬く間に修羅場と化してきた。
カツオの返り血を浴び、ズボン・シャツも血まみれ。
このまま陸に上がったら、通りすがる人が振り向くかも。

嵐のようなカツオラッシュが1時間ほど続き、
一服状態になった頃には、もうみんなへろへろ。

まだ9時過ぎだというのに、ノックアウト放心状態。
今日は5時まで釣らせてくれるんだよ。
まだまだ始まったばかり。

腰の入っていないへっぽこ漁師が初めてカツオ漁に同乗したようなものだ。
「いまの(ボイル)なら100kgは水揚げしとかな…」
というスタッフの声がちょっと痛い。

餌床を探しながら、船を微速で走らせる。
その間、屋根付きの後部デッキでしばし休憩。



昼ごろ、マダイのジギングポイントに到着したらしく、
「ジギング始めてよー。」の合図が。

3回ほど流したところで、場所移動。
これにて(わずか20分!!)マダイジギング終了。



午後からまた のませ釣りをするようでエサをキープしていく。


明石より参加のI氏に待望のヨコワがヒット。
私にカツオがヒットしたが、その後は沈黙。

ソーダガツオ、サバなどはヒットするが、
ヨコワ・カツオは口を使ってくれず。

そんな中K氏は、チューチュー(分かる人には分かる)の弓角を使って
ソーダガツオを連発。
一人入れ食い状態。



午後5時過ぎまで釣らせてくれたが,
単発のミニボイルは見られたものの、
朝のようなボコボコスーパーボイルは現れず
太平洋での長い長い一日は終了した。

釣りというより、漁といった感じであったが、実に楽しい一日であった。



船中6名で ヨコワ3匹 カツオ19匹 ソーダガツオ サバ多数

同行されたみなさん、大変お疲れさまでした。
今回の釣り日記は今まで溜まっていた分 長編になってしまいましたが
最後までおつきあいのほど、ありがとうございました。

船に乗ったら瀬戸内の凪でも5分で酔っていた人間が、
太平洋で船をチャーターするようになったか。

チャレンジはまだまだ続く。
私の釣りに終わりはない。



本日の釣果 ヨコワ4kg1匹 カツオ3kg前後7匹
         ソーダガツオ サバなど