7月9日(土) 美波町の飲ませサビキ釣り

釣り日記後半に≪飲ませサビキ釣りについて≫の記述あり。


マダイ強化月間第二弾。


四国地方も梅雨明けし 今日も暑い一日になりそうだ。

釣果も熱くなるよう がんばらねば。


今日は一日 南風の予報。

この時期の季節風として避けられないが  

ボコボコ状態だけは勘弁してもらいたい。


5:30 出船。



まずは 港の近くから。

 
ベイトはボチボチ掛かるものの 本命からのアタリはない。


本日のベイトチェック。



小サバにマイワシ・カタクチイワシ

そして何より重要なウルメイワシ。


どこへ行ってもベイトはたくさんいるんだけれど,潮が悪いのか 食い気はない。



釣れない時間が続く。



そんな中

前回 メーター級を釣り上げたMさんに大物ヒット。

今日もいきなりですか〜

これも間違いなくブリですね。

しかも大物。



残念ながら 根に持って行かれ無念のラインブレイク。



その後 再び長い沈黙。



沖の潮は綺麗な青い色をしているが,

近海の海水はどんより濁り気味で水潮っぽい感じ。


潮流も上潮は下りだが,底潮は動いていないようで

反応が悪い。



あまりの暑さにボーッとしていると

バタバタッと激しく竿先を叩くアタリ。

このアタリは…



泣きの60 … 59cm。

今日は釣れないかと思っていたら やっと一つ釣れた。



その後 再び沈黙。



結局 11時までに釣れた本命は 船中これ1枚のみ。




その後も北上を続け いつもの阿部沖へ。




他のエリアがよくないのか,

遊漁船がすでに5.6隻。




ここでもイワシが掛かるが本命のアタリはない。

たまに当たれば



ガッシー君や…


ほとんど引かずにヌーと揚がってくる



マトちゃんばかり。

一時マトウダイ入れ食い状態。

コイツが釣れる日は潮が悪いような気がする。



予報通り 南風が強まってきた。



これ以上吹かれると やばいかも。


そんななか 海亀氏が70cm近い大判をゲット。


ようやくヒラメや鯛がポツポツ当たり出した。



後ろの方に大きい鯛がヒット。

ラインが絡んだようなので,私のラインをゆるめていると

突然ラインが走り出した。

間接的に引っ張られているんだろうと思ったが

それにしてもよく走っている。

後ろの方は無事に鯛を取り込み,ラインも外してくれた。

で,やっぱりまだ引いてる。

引きからして鯛であるのは間違いない。

それも大型。



コブダイみたいな デコっぱち。



いかつい顔の♂だ。


検量



今期2枚目の鯛は75cm。


時合いに突入したみたいで


今度はヒラメのアタリ。



2枚目は55cm。



再びタイのアタリ



2枚目は♀のべっぴんさん 65cm。


その後もアタリはあったものの,掛けられず。



昼までは どうなることかと思っていたが

終わってみれば まずまずの釣果に。




17:30

12時間の釣行を終え 帰港。



6人で これだけ。

前回には及ばないものの 今回も鯛やヒラメの舞い踊り。



タイ 75cm2枚,65〜70cm4枚

ヒラメ 55cm〜67cm 5枚

サバ 30匹  マトウダイ・ガシラ 各10匹

シイラ・サゴシ・イサキ…


みなさん 相当数バラしたようで,逃げていった魚は大物?

好釣果と貧果は紙一重。

まだまだ未知の大物が潜むこの海域。

タイもこれから照り込んでくると 食いも上昇してくるはず。

今期は自己記録更新のチャンスかも。



本日の釣果  マダイ 〜74cm 2匹 (氷〆で1cm縮んだ…)
          ヒラメ 〜59cm 2枚 
          サバ ガシラ マトウダイなど

   




≪飲ませサビキ釣りとは≫



飲ませサビキ釣りについて教えて欲しいという声がよく届くようになったので

現段階で自分なりに考え実践していることについて…


私の飲ませサビキ釣りとの出会いは 2005年 夏の鳴門海峡。

その時は(今でも?)サバ皮のサビキ仕掛け(ハリス4〜5号・小鯛針8〜9号)

と飲ませ用に作られた物ではない普通の鯛釣り用仕掛けを流用していた。

この仕掛けは枝間が広く広範囲のタナが探れる利点はあったものの

強度的には問題があり,60cm以上の魚が掛かると

ハリスが切れたり針が伸ばされたりしていた。


その後2007年に冬の日和佐にサバやマルアジを掛けて

メジロ・ブリを狙うパワーアップした飲ませサビキ釣りを経験するようになる。

この時の仕掛けはハリス12〜14号とかなりの太仕掛けにしないと太刀打ちできなかった。


そして 2009年夏に伊予灘で同じような太仕掛けを使ったハマチ〜ブリ狙い。

さらに昨年の夏からは日和佐エリアのマダイ狙いで数・型ともに狙える釣り方として

一気にブレイクしたという感じ。


ここ2,3年 日和佐海域のみならず各地で流行している飲ませサビキ釣り。

太目のサビキ仕掛けにベイトのイワシやアジを掛けて

そのまま底に落とし,大物が食いつくのを待つという釣り方。

「どうらく釣り」とは仕掛けが異なる。

以前は市販の仕掛けはほとんどなく,自分で試行錯誤しながら

針やハリスの長さや太さをいろいろ試していた。





≪仕掛け≫

最近は各メーカーから「喰わせサビキ」という名前で

多種多様な仕掛けや針が販売されるようになった。



針も喰わせサビキ専用のものがでており,

ターゲットに合わせたサイズを選択できるようになっている。


サビキを落とすだけの簡単な釣りのようなイメージがあるが

実際は 市販の仕掛けを持って行って落としているだけではめったに当たらない

見た目より かなり奥の深い釣りである。


この釣りで一番大切なのは仕掛け。

その中でも針。

このときに考えないといけないのは,まずベイトが何であるか。

ベイトの掛かりが良い仕掛けにしないと釣りのスタートラインにすら立てない。


冬場のベイトは30cm前後のサバやアジなので針はそれほど気にしなくていいし

市販の仕掛けで十分対応できる。


夏場のベイトはウルメイワシなので できれば小針・細軸が望ましい。

しかし,ターゲットの大きさを考えると どこを着地点にするかが悩みどころ。



右から ハヤブサ 喰わせ青物ヒラメ7号
    
    マルフジ 青物・ヒラメ S

    ハリミツ ベイト針12号

    オーナー 剛将7号

    ささめ アジ極太10号

    ハヤブサ イサキ10号

ほぼ実物大。

メーカー品のサビキはフラッシャーなどが付いているが

平打ち針の素針の方がベイトの掛かりがいいように思える。

これまでにいろいろな針を試してみたが

狙いがマダイ・ヒラメであれば右端のイサキ針が断然おすすめ。

イワシの掛かりは抜群。

軸が細めだが,大鯛やメジロクラスまではドラグ効かせば十分獲れる。

夏場はこの針の3本枝や4本枝を作って連結して使うことが多い。


青物がメインの場合は,ベイトの掛かりが悪くなるが軸の太いタイプを使う。

鯛と青物両方狙う場合は道糸に近い方に太い仕掛け

底に近い方が細い仕掛けになるように連結する。

昨年の夏は市販の仕掛けの下に自作の細仕掛けを連結していたが

釣れた鯛の9割以上は自作の細仕掛けの方だった。



次に大事なのがライン。

ベイトのイワシはラインが太いと掛かりが悪くなる。

青物の場合 ラインの太さはそれほど喰いに影響しないが

視力のいい鯛は太いラインを嫌い極端にアタリが減る。

かといって5号以下ではイワシの掛かりがよくても 勝負にならないし

10号以上のハリスだと まず鯛は食わない。

6〜8号をその日の鯛の大きさや食い気,潮の状態に合わせて使い分ける。

枝の長さも長い方が食いがよいが

幹に絡むなどのトラブルも多くなる。

今はフロロ7号をメインに枝は15〜20cm,間隔40〜60cmの仕掛けを作っている。



最初に20cmの枝針をたくさん作っておく。

次に幹糸に八の字結びを枝の数だけ作っておく。(緩く結んでおく)

幹糸の八の字結びの隙間(上)からエダスを入れ

電車結び(4〜5回)Cを押さえてBを引っ張る。

@Aの本線を締め込んだあと,再びBを引っ張る。

Cの端は1cm Bの針の結び端は3mmと普段より長めに残して切る。

際で切ると 大物が掛かったときにすっぽ抜けることがあるから。


鯛・ヒラメに絞った釣りをするのであればハリスは6〜7号

しかし,この場合 メジロ以上の青物は運がよくないと獲れない。

鯛を捨てて青物メインで狙うのなら10号以上。

その日の海の状況や魚の活性に合わせて

3パターンほどの仕掛けを準備しておけば万全。

 ・対 鯛・ヒラメ用 6〜7号 イサキ針 

 ・対 メジロ・ブリ用10号以上 太軸針

 ・間をとったオールマイティ 8号 太軸針



作った仕掛けは緩く丸めて100均の袋に入れておく。

こうすると かさばらずポーチ(100均)に30セットほど入る。


市販の仕掛けは6本針で600〜1000円ととても高価。

自作なら4本枝なら100円程度 6本枝でも150円ほどでできる。

意外と簡単なので作っていただきたい。



10号以上のハリスを使用する場合は

針を結んだ後,ペンチなどでさらに締め込むと外れにくくなる。

ペンチもハサミもものさしも板磁石も小物ケースも全て100均。


潮がそこそこ流れていてベイトの活性が高いときは太仕掛けでも掛かるが

潮が流れていなかったり活性の低い時などは

市販の太い仕掛けと細仕掛けとではベイトの掛かりが倍以上違うので

まず魚と出会うためのチャンスを増やす意味でも是非お試しを。






≪釣り方≫

この釣りで大切なことは

ベイトは必ずフォールで掛けること。

竿を上下させて掛けようとする方がいるが,掛かりが悪いし

何より掛かったイワシがすぐに弱ってしまう。


水深が50mであれば,中層にさしかかる

20mあたりからサミングをしながら落下速度を調節し

ウルメが掛かった感触があれば そのまま10〜20秒ほど待って(またはさらにフォールスピードを落とし)

追い食いさせて2,3匹掛かった感触を待ってから底へ静かに下ろしていく。


水面近くはカタクチや小サバが群れている場合が多いので

できるだけ掛からないようにするために竿先を下げて一気に中層へもっていく。

プルプルという小刻みな振動がウルメが掛かった合図なので

それ以外の小サバやカタクチが掛かってしまったら底まで落とさず巻き上げて外し再投入。

底まで落として掛からなければすぐに中層まで巻き上げてもう一度落とす。

ベイトが掛からないからと底で待っていると赤ジャコやウリ坊,小アジなどが付いてしまい

本命と出会う確率が極端に下がってしまう。


ベイトのウルメはうまく口に針が掛かっていれば2〜3分は泳いでくれる。

その時の振動を鯛が側線で感じ,

鱗がはがれてキラキラ舞う様子を視覚で感じ 食いついてくると考える。

3分経って竿先に振動を感じなくなったら ウルメはもう泳いでいない。

そうなったら死んだエサを付けているのと同じ状態なので

もう一度回収してベイトを付けるところからやり直し。

海面まで揚げたときにたとえウルメが付いていても そのまま落とさず

外してから再投入すること。

この一連の作業を面倒くさがらずにできるかどうかが一日のアタリの数・釣果に直結する。


狙いのタナは

ヒラメ狙いを意識した場合は底ベタに
 
 一番下の枝もしくは下から二番目の枝に食いつくことが大半。

 ただしオモリを底で引きずると根掛かりするし

 ラインが斜めになって同乗者とのオマツリが多発するので,
  
 わずかに底を切る程度にしておく。

 アタリはバタバタッと竿先を叩くような感じ。

 アジエサなら送り込みじっくり喰わせる必要があるが,
 
 イワシの場合は食い込みがいいので 次の本アタリでほぼ掛かっている。

鯛狙いならオモリは少し底を切る程度に

 鯛は下から2番目から4番目の枝に食いつくことが多い。

 コツンとした前アタリの後 大型は一気に走る。

 このときにドラグが緩めでないと針をのばされたり枝を飛ばされたりするので注意。

 最初の突っ込みをかわせば あとはゆっくりとやりとりすれば大抵は獲れる。

青物(サワラ)狙いなら1〜3m底を切るようにする。

 青物がベイトを追い回してイワシが固まっている場合は イワシが付いてすぐ
 
 または底に落としている途中でヒットすることが多い。

 マダイ以上にファーストランは強烈。

 魚礁や瀬の付近で掛かることが多いので

 使っているラインの太さを頭に入れたやりとりが必要。

ゆっくりと大きな誘いをかけると食いついてくることもある。


いずれにせよ この釣りは向こう合わせが基本なので,

竿先が大きく引き込まれるまで合わせてはいけない。



他にもこの釣りで大切なことはドラグの調整。

ターゲットの大きさの割に細めの仕掛けを使うので

掛かってからのファーストランで切られることのないよう緩めに。

ハリス6号や7号でもドラグ効かせて時間を掛ければ大抵の魚は獲れる。

要は 釣り人が今何号のハリスで勝負しているかが分かっていて

それ相応の対応さえできれば細い仕掛けでも魚は獲れるということ。


しかし,60号のオモリを素早く回収したり

サバなんかが掛かってオマツリささずに回収するには

ある程度ドラグが締まってないといけない。

仕掛けを上げるときに2,3回締めて 仕掛けを落とすときに2,3回緩めるようにしている。





≪タックル≫

ロッドは今の時期の飲ませサビキでは 瀬戸内で使用しているもので十分対応できる。

一般的な船竿であれば,オモリ負荷30〜50号程度

ジギングロッドであれば,ベイトタイプのややライト系のものでよい。

水深は40〜60mなので 使用するオモリは50〜60号。


長くてやわらかい竿の方が魚を掛けてからのバラシが少ないが

一日手持ちでベイトを掛け直す作業を繰り返すことを考えれば

長すぎる竿は考え物である。

短くて硬めの竿は,手持ちで釣るのは楽だが ベイトの状態をつかみにくかったり

アタリがはじかれたり,大物が掛かったときにラインブレイクの恐れがある。


先調子のやや柔らかめの竿の方がベイトの掛かりがわかりやすく

魚を掛けてからのバラシも少ない。



リールは電動もしくはベイトタイプの中型(できればカウンター付き)

イワシを付けるために何度も上げ下ろしが必要なので 電動リールが便利。

船頭さんや同乗者からイワシの掛かるタナを教えてもらい

そのレンジに仕掛けを持って行く意味でもカウンター付きが便利。


ラインは夏場ならPE3号,冬場なら4号はほしい。

10kgクラスが掛かる可能性もあるので。

リーダーは付けても付けなくてもよい。








≪まとめ≫

@ できるだけ小針の細仕掛けを使うこと

A ウルメを選んでフォールで掛けること

B 3分したら仕掛けを上げて掛け直すこと

C ドラグ緩めでライン強度を頭に入れて勝負すること



潮がいいとき,魚の活性が高いときは太仕掛けでも喰ってくる。

ベイトが死にかけていても食ってくる。

海の魚釣りはこの釣りに限ったわけでなく,

一日を通せば食い気の乏しい(ない)時間帯の方が圧倒的に多い。

そんな状態の時にいかに次の1匹を掛けるかが

長い目で見た場合 釣果に大きな差がでてくる。

そのためには少しでも魚に口を使わせるための努力を怠ってはいけない。


太い仕掛けでも喰ったから大丈夫と その時のイメージだけで釣っているようでは

なかなか狙いの魚をゲットすることはできないだろう。


こだわる点とこだわりを捨てる点の判断を間違えず

魚にアプローチする方法を追求したい。


青物に底物に鯛,大物から小物まで

いろいろな魚が釣れる飲ませサビキ釣り。


まだまだ歴史の浅い釣りなので 上記の点についての真偽は定かではないが

これからの実釣を通して検証していく予定。


皆様方からの忌憚のないご意見 お待ちしております。





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